●生命保険の種類と選び方 (初級編)(2000年8月10日)
 生命保険にはたくさんの種類がありますが、保障の機能別に見ると、@死亡保障、A医療保障、B老後(生存)保障の三つに大別でき、また、一部の保険(養老保険など)には一定の貯蓄機能もあります。良く吟味して家族の生活保障のために必要な保険を選び、必要な保障額だけ掛けましょう。
 ●死亡保障のための保険
〔定期保険〕一定の保険期間内に被保険者(保障の対象となる人)が死亡したときに、死亡保険金が受け取れます。いわゆる掛け捨ての死亡保険で満期保険金はありません。保険期間中、保険金額が一定の平準(定額)定期保険、一定率で逓減する逓減定期保険、一定率で逓増する逓増定期保険の三タイプがあります。定期保険の死亡保険金を年金で受け取るタイプを収入保障(生活保障)保険といいます。
〔終身保険〕定期保険と異なり、死亡保障が一生涯続くので「保障切れ」がなく、生活保障設計の土台をなすものです。保険料払込満了後、蓄積部分と積立配当金をもとに年金や介護保障に変更する取り扱いも可能です(保険会社・商品による)。〔定期付終身保険〕終身保険を主契約とし、子育て期間など一定期間の必要保障額を大きくするために保険料の割安な定期保険特約を上乗せしたもので、死亡保険の主力保険になっています。定期特約を保険料払込満了時まで上乗せした全期型、10年・15年と一定期間ごとに更新(無診査)する更新型があります。更新型の定期特約は更新時の年齢で保険料が適用されるので、同額更新すると保険料は上がります。減額や更新しない取り扱いも可能です。定期付終身保険には特約の形で様々な保障があらかじめセットされている場合が多いので、本当に必要な保障だけ選別しましょう。
●医療保障のための保険
〔医療特約〕主契約の定期付終身保険や個人年金保険などに特約としてセットするもので、中途付加もできます。疾病入院特約・災害入院特約が一般的で、病気やケガで入院したときに入院給付日額・入院日数に応じた給付金が受け取れます。本人型のほか、家族型もあります。保険会社により成人病、ガン、女性疾病など特定の医療目的の各種医療特約や、通院特約などもあります。
〔医療保険〕単独で加入できるタイプで、病気やケガで入院したり手術を受けたときに給付金が受け取れます。一般的な医療保険では、死亡したときは少額ながら死亡保険金も受け取れます。特約タイプに比べ長期入院保障を特色とするものもあります。ひと通りの病気やケガを保障する医療保険と、ガン保険、女性疾病向け保険、歯科医療の保険など特定の医療目的の専用保険があります。
〔その他の保険〕生前給付保険の特定疾病保障保険はガン・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態となったとき、死亡保険金と同額の特定疾病保険金が受け取れます。
●老後保障のための保険
〔個人年金保険〕主な年金保険として、確定年金と保証期間付終身年金があります。確定年金は被保険者の生死に関わらず、一定期間年金が受け取れます。保証期間付終身年金は、保証期間中は被保険者の生死に関わらず年金(死亡した場合は残余期間の年金または一時金)が受け取れ、以降、生きている限り年金が受け取れます。ほかに、一定期間において、生きている限り年金が受け取れる有期年金タイプもあります。受取方法では本人年金のほか、夫婦のいずれかが生きている限り年金が受け取れる夫婦年金もあります。
〔介護保険〕公的介護保険を補完するさまざまなタイプの介護保険(特約含む)があります。寝たきりや痴呆で要介護状態が通常180日継続した場合(保険会社により異なる)、介護給付金・介護年金等が受け取れます。介護保障期間が一定期間で保険料が割安な定期タイプと、介護保障が一生涯続く終身タイプがありますが、保険期間に合わせて要介護状態になるわけではないので、終身タイプが安心です。要介護状態よりきめ細かい日常動作障害の給付テーブルを持つ商品もあります。(国民生活センター「くらしの豆知識2001年版」の原稿に加筆)

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